サッカー、アルビレックス新潟が宮崎県で行っているキャンプを取材。樹森新監督のもと展開されるサッカーが見えてきました。初実践となったツエーゲン金沢戦には敗れたものの、樹森監督は手応えも口にしています。
■選手・スタッフ約3分の1が入れ替え「練習も探り探り」
雪が降り、寒さが厳しい冬の新潟を離れ向かったのは、九州の宮崎。
【齋藤正昂アナウンサー】
「アルビのエンブレムが入った旗が多く掲げられ、歓迎ムードの練習場。1月ですが、厚手のコートがいらないくらい暖かな陽気の中、練習が行われています」
【田代琉我 選手】
「頑張っていきましょう!行くぞ!」
最高気温14.1℃と絶好の環境の中、新加入・田代選手の声出しで始まったこの日の練習。
ポイントとなるのは、選手・スタッフが3分の1ほど入れ替わったチームで、プレーの考え方など意思統一を図ること…
【高木善朗 選手】
「まだまだチームとしても確認ごとが多い中で、練習も探り探りにはなっていると思うが、徐々に良い方向には向かっているかなと思う」
2月15日に開幕を控えるタイトな日程の中、互いにコミュニケーションをとりながらチームづくりを進めています。
■攻撃の組み立て・攻守切り替え…随所に樹森スタイルも
これまでの「ボールを保持するスタイルは継続する」と強調してきた樹森新監督。その上で、キャンプ1週目に取り組んでいたのは“攻撃の組み立て”です。
【樹森大介 監督】
「局面は9対5だから、余裕を持って出し入れをしながら、ワンツーでキーパーはワンタッチ」
通常より狭いフィールドで積極的にボールを奪いに来る相手を、パスを回してかわす練習を行っていました。
テンポも早いため、正確な足下の技術が要求されます。さらに…
【樹森大介 監督】
「奪われた瞬間、ちょっとゴールにカバー行っている選手が多い。ボールに行って、まずは切り替え。ここ全部シュートゾーン」
攻守が切り替わった際の意識づけなど、随所に樹森スタイルが見られる練習が展開されていました。
【高木善朗 選手】
「練習のテンポ、あとはやっぱり監督から要求されることも変わったので、その要求に応えられるように、僕らが応えていけるようにまだ探っている状態」
■ベテラン選手の力大きく「良い環境・良い循環に」
選手が新たな練習に食らいつく様子を樹森監督はどう見ているのでしょうか?
【樹森大介 監督】
「練習メニューが変わると、戸惑いとか、ルールとか、最初はそこに縛られてしまって思いっきりプレーできない。でも、ここ2日間、細かいルール設定でやっても、自然とそれっぽく、やりたいことが自然と出るようになっていたので、理解して体で動かす能力というのは素晴らしいと感じている」
また、18歳~39歳まで幅広い年代の選手が在籍するチームの中で、ベテラン選手が大きな役割を果たしていると話します。
【樹森大介 監督】
「クラブ・チームのために発言も行動もしてくれているので、非常に助かっているし、彼らの影響というのが、若い選手も真似してやってくれているので、良い環境・良い循環になっているのかなとは思う」
一方、自身に目を向けると、トップチームの監督は初挑戦。責任の大きさも感じているといいます。
【樹森大介 監督】
「彼らのそういった能力を生かすも殺すも僕自身だと十分自覚はしているので、選手とともにスタッフも成長して、チームを成長させていきたいという思いが一番強い」
■新チーム初の実戦!新加入選手が持ち味アピール
そして、1月18日はJ3の金沢と練習試合を実施。会場には新チームとして初めて挑む実戦を見ようと、サポーターも駆けつけていました。
【サポーター】
「一番早く今年のチームを見られるのはうれしいし楽しみ。監督が新しく替わって、チームの雰囲気とかが一番気になっている」
30分・3本行われた練習試合では、ベテラン・若手・新加入選手をバランスよく配置。
合宿で取り組んできたパスをつないで相手のマークを外すこと、そしてボールを素早く前線に運ぶことを意識したプレーが多く見られました。
【樹森大介 監督】
「そこはしっかり出たなと。立ち位置のところはそれ+α、外したときのスピードアップというところはテーマに入れていたので、それに対してしっかりやろうというのは伝わった。そこはポジティブに感じている」
また、練習試合では新加入選手がそれぞれの持ち味をアピール。
ディフェンスの森選手は空中戦で高い勝率を誇り、インカレ得点王の笠井選手は積極的なシュートで得点を狙っていました。
中でも、ゴール前で存在感を放っていたのはFWの落合選手。ゴールこそなりませんでしたが、クロスからのヘディングシュートで見せ場をつくっていました。
【落合陸 選手】
「そこを決めることを求められているし、必ずチャンスは来ると思っていたので、僕としてはもっとできた内容だった」
練習試合は敗れたアルビ。ここから開幕までに守備やゴール前での連携などを戦術として落とし込み、どこまでチームの完成度を上げることができるのか、監督の手腕が試されています。
【樹森大介 監督】
「丁寧にやっていくと、しっかり吸収できる集団だというのを感じられたので、そこを丁寧にやって、開幕に照準を合わせたい」