コロナ禍で人気が高まったキャンプ。その醍醐味の1つ「たき火」を楽しむための専用アイテムが愛好家の間で話題です。使われているのは造船の技術ということなのですが、一体どんなアイテムなのでしょうか?
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▼内容
0:00 バーベキューコンロに、ユニークな形の蚊取り線香ホルダー。無骨ながら、人目を引くデザインと取り扱いやすさが人気のアウトドアブランド「THE IRON FIELD GEAR」です。
0:16 (CREW THE CAMP 秋山店長)「入ってすぐ一番目につくところにアイアンフィールドギアさん置かせて頂いて。イチオシというかー」
0:24 このブランドの原点とも言える商品がー
0:28 (興栄企画 森山社長)「これは『TAKI BE CAN』という商品でして…」
0:31 箱から何かを取り出し、1分余りで完成したのは?
0:39 実はこれ、たき火を楽しむ専用の装置なんです。
0:44 開発した森山さんが、最もこだわったのがこちら。
0:50 (森山社長)「たき火の火が上手に燃える。それをちゃんと計算して作ったような箱になっていますのでー」
0:56 その違い、どうです?好きな人なら分かりますよね。
1:03 商品を手掛けたのは、ちょっと意外な会社です。
1:09 造船業が盛んな瀬戸内海沿岸地域。国内最大手の造船所で行われていたのはコンテナ船の骨組みを作る作業。巨大な鉄の板を溶接でつなぎ合わせます。
1:26 一次下請けの鉄工所・興栄企画です。主力の造船業は、世界規模であるが故の課題を抱えています。
1:38 (森山社長)「世界経済に左右される点がすごく大きいです。先がどうなるのかを考えるのは非常に難しいなと思っています。」
1:47 日本の造船業が確保している仕事の量です。中国や韓国などの台頭で国際競争は激しさを増していて、厳しい状況が続いています。
2:01 興栄企画では、経営リスク分散のため、自社で設計から施工まで一貫して手掛ける鉄骨建設など、事業を広げてきました。
2:13 2018年に始めたのが、自社開発したアウトドア用品の製造販売。鉄を切ったり、曲げたりする技術はもちろん、パーツごとに溶接や金具止めを使い分けるなどして、耐久性アップと軽量化を実現。造船で培った、鉄を扱うノウハウが生かされています。
2:38 (森山社長)「この本体もですね、全体が全部二重構造になっています。」
2:44 煙突の断面もご覧の通り二重に。外側の層に入り込む空気が「壁」となり、内部を高温に保つことができるため、「上手く燃やす」ことができるそうです。
2:58 こうした空気の流れを良くして必要な酸素の取り込みを促す仕組みなど、燃焼効率を高める仕掛けについては現在、特許を出願しています。
3:11 (記者)「造船の技術だけではこういうものは生まれないような気がするんですけども…」
3:16 (森山社長)「そうですね…僕が元々アウトドア大好きなのでー」
3:20 単に楽しむだけでは我慢できなかった森山さん。究極のたき火を求めておよそ1年半、試作を重ねた結果、これまで市場に無かったたき火専用の装置を誕生させました。
3:36 「IRON」=「鉄」の名がつけられた新興ブランドは市場参入から3年ほどで、売り上げはおよそ1億円。年商の1割を占めるまでになっています。
3:48 (日本経済新聞 亀井記者)「既存技術のみで差別化を図れなくとも、探究心を抱いて追究できるアウトドア用品に応用した着眼点こそが、新事業が軌道に乗った要因の一つと言えそうです。」
4:03 より手軽に「こだわりの炎」を楽しめる新たなたき火装置の開発中で、秋にも発売される予定です。
4:12 (森山社長)「鉄の加工の技術のプロというところで、原点だと思ってますので、そこだけは、外さずにやっていきたいなと思っています。」